名機オリンパスEM5、画質刷新で今なお注目される「マイクロフォーサーズの傑作」

2012年に登場し、当時のレビューアを驚かせたオリンパスEM5は、同社のデジタルカメラにおける画質哲学に大きな変化をもたらした一台でした。従来の「オリンパスブルー」と呼ばれる特徴的な色味を大幅に排し、センサーが捉える自然な描写と温かみのある色彩表現へと舵を切ったのです。

この時採用されたのは、コダック製ではなく、ソニー製の第一世代センサーだったといいます。筆者（レビューア）は、このEM5とそれに続く時期が、マイクロフォーサーズシステムの「ピーク」、すなわち最も充実した時代であったと評価しています。

近年、一部の写真愛好家の間で、往年のコダック製センサーを搭載したカメラが再評価され、人気を集めています。しかし、そうした機種は市場で入手が困難になりつつあり、センサーの経年劣化による腐食の問題も懸念され始めています。

そうした背景の中、EM5はコダックセンサー搭載機に最も近い画質を持つ代替機として、再び注目を集めています。その登場から時を経た今もなお、EM5はマイクロフォーサーズの歴史において、画質面での転換点と「ピーク」を象徴する傑作として語り継がれています。