デジタル写真におけるRAWファイルの必要性、その議論が再燃

新しいカメラが登場するたび、RAWファイル処理のためのソフトウェア更新を待つ必要がある。このデジタルネガであるRAWファイルは、JPEGとは異なり膨大なデータを含み、まるで自ら料理の材料を揃えるかのように、撮影後に幅広い調整が可能だ。一方、JPEGファイルは、すでに完成された料理に例えられ、手軽さが特徴である。

しかし近年、スマートフォンアプリなどにおけるJPEG編集機能の飛躍的な進化により、「本当にRAWファイルが必要なのか」という疑問が呈されている。RAWファイルが提供する柔軟性は確かに魅力的だが、カメラ内プリセットや適切なライティング技術でも、同様に魅力的な結果を得られるようになっているからだ。

長らく「撮影後の編集（ポストプロダクション）を減らし、カメラ内でより多くのことを完結させるべき」という意見が聞かれてきた。そして現在、この流れは加速しており、2025年には多くの撮影においてポストプロダクションが不要となる段階に達すると指摘されている。たとえ編集が必要な場面でも、JPEGファイルに対する編集ツールが非常に高性能化しており、十分なクオリティを提供できるようになっている。

この進化は、デジタル写真のワークフローに新たな選択肢をもたらし、RAWファイルの絶対的な優位性という従来の常識に一石を投じている。