2013年登場のキヤノンSL1、ミラーレス懐疑時代を経て今も健在

2013年に発表されたキヤノンSL1のレビューは、当時大きな物議を醸しました。製品画像に女性モデルを起用したためですが、これはキヤノン側から「女性を主要ターゲットとした製品」と説明を受けていたためでした。

SL1は、どこへでも手軽に持ち運べるよう設計された、極めて小型のデジタル一眼レフカメラ「Rebel」シリーズの先駆けです。しかし、このカメラが登場した時代は、キヤノンがミラーレスカメラの開発に消極的で、その将来性に対して懐疑的な姿勢を貫いていました。社内担当者の中には、ミラーレスを「単なる一過性の流行に過ぎない」と断言する者もおり、その見解は時に現実離れしているようにさえ聞こえたといいます。

そうした時代の空気の中、特定の層を狙い、独自の道を歩んだキヤノンSL1。皮肉にも、ミラーレス時代が到来した現在においても、この小型一眼レフカメラは依然としてその存在感を保ち続けています。