デジタル写真の「多様性」喪失への懸念：かつての名機が示した描写の可能性

ある写真家は、自身が初めて手にしたデジタル一眼レフカメラがオリンパスE-510であったと振り返ります。当時約10メガピクセルの解像度と、コダック製のLive MOSセンサーを搭載していたこのカメラを深く愛用し、数々の素晴らしい写真を撮影してきたといいます。

その描写は、今日のソニーやキヤノン製センサーが生み出す画像とは全く異なるものでした。古いFlickrアルバムを見返すと、現代の「無菌的な完璧さ」を追求した画とは一線を画す、独特の質感や色表現があることに改めて気づかされるそうです。

しかし、デジタル写真業界はセンサー製造において、キヤノンとソニーがほぼ寡占する状況となり、かつてフィルムの多様な銘柄がそうであったように、個性豊かな描写のバリエーションが失われつつあると指摘しています。プリセットで後から調整することは可能ですが、それは本来の撮影体験とは全く異なるものだと、懸念を示しています。