ジャーナリズム教育が教えない「カメラレビュー」のリアル：主観とアルゴリズムの支配

ジャーナリズムの専門教育や大手出版社での実務経験が、必ずしもカメラレビューの特殊な世界に完全に対応できるわけではない――。ある筆者が自身の経験を通して、現代の情報発信とレビュー文化が抱える課題を浮き彫りにしています。

筆者は、授業やインターンシップでは得られなかった現実として、「誰もがカメラレビュアーになろうとする」という状況に直面したと語ります。ソーシャルメディアやエコーチェンバー現象の広がりはレビューを「民主化」させた一方で、ユーザーが目にする情報をアルゴリズムが選別する傾向が強まっていると指摘します。

アルゴリズムは個人の好みに合わせた情報を選別するため、消費者がまるで肉屋で自由に肉を選ぶような「真に網羅的な選択肢」は提供されないと警鐘を鳴らします。結果として、多様な視点や製品がユーザーに届きにくくなっている現状があると分析しています。

そして筆者は、レビューの本質について衝撃的な見解を述べています。「レビューの目的は公平であることではない」と断言し、カメラ（camera）という単語に「私（me）」が含まれるように、レビューには書き手の主観が不可避的に伴うものであることを強調しました。